中部大学キャンパスコンサート 筧孝也 フルートリサイタル

6月30日(土)
開演 14:00
会場 三浦幸平メモリアルホール

毎回楽しみにしているこのコンサート。
今日は暑いので、開場ちょうどに着くようにでかけました。
着いてみると、まだ長蛇の列が。

仕方なく、一番最後にならびました。
木陰だったので、少しは楽でしたが。
しばらくすると、列が動き始めました。

受付で入場券を印刷した紙を渡しました。
今朝、印刷するときに気がついたんですが、
メールに送信されていた入場券にもナンバーが記されていました。
インチキされたら、困りますもんね。
Web申し込み、メール送付だと、双方とも葉書き代がかからなくて良いですね。

以下は、今日聞いた演奏とおしゃべり(もとい、解説)と私の感想です。
聞き取れなかった部分はプログラムノートから一部抜粋させていただきました。


ピアノ 水村さおり

<プログラム>

1.コンチェルティーノ    C.シャミナート
2.シシリエンヌ        G.フォーレ
3.シリンクス          C.ドビュッシー
4.カルメン幻想曲      F.ボルヌ

      ~休憩~

5.後悔と決心         G.ショッカー
6.タンゴ・エチュードより第三番  A.ピアソラ
7.フルートソナタ        O.タクタキシヴィリ

1.シャミナード以前はほとんど女性の作曲家がいなかったそうです。
  プログラムノートにも書かれている通り、女性であるためパリ音楽院に入学することは許されず、
  教授たちに個人レッスンを受けることは許され、苦労しながら作曲を学びます。
  この曲は難曲で、別れた恋人(フルート奏者)に嫌がらせのため、という説があるぐらい難しいそうです。
  高音域のフルート音色がとても透き通っていて青空のような美しさを感じました。
  中音域や低音域は、和紙のように不透明だけれど落ち着いた質感を感じました。


2.シチリアーナのとても有名な曲。
  もう一つ有名な曲があるそうですが筧さんの小学校の給食のときにかかっていたので、
  あまり品よく感じないため、こちらを選曲されたそうです。
  確かにこの曲も良く聴いたことのある曲でした。
  舞曲だけあって、優雅でしっとりと上品で、少し悲しみの色をした、
  それでいて深みのある音色が印象的でした。

フルートはもともとは篠笛のようなシンプルなものだったので、
奏法がとても難しくなってしまいました。
19世紀になり、ドイツ人が操作盤のある金属のフルートを作り出したため、
奏法は優しくなり、素早い動きが出来るようになりました。

フルートはフランスのパリ音楽院で取り入れられたため、
フランスの曲が多くなっています。

3.水村先生の「私はドビュッシーの時代ぐらいの近代音楽が好きですが、
  筧先生はどの時代の音楽がお好きですか?」との質問に、
  「実は、それ以前は、フルートの曲はあまりないんです。」との返答が。
  この曲は無伴奏フルートのための作品です。
  このシリンクスはピアノなしのフルート独奏でした。
  ドビュッシーらしい、不可思議な世界にいざなわれました。

4.水村先生の「カルメンは難しい曲が多いですが、
  この『カルメン幻想曲』はどうでしょうか?」の問いに
  「難しいですね」との返答がありました。
  原曲がビゼーの「カルメン」なので、知っているフレーズがアレンジされた感じの曲でした。
  ピアノとフルートのコンビネーションが華やかでした。

<質問コーナー>
「フルートを何本もっていらっしゃいますか?」
「一本です。フルートはとっても高いんです。
何金なんですかと尋ねられることがありますが、
よく、借金とお答えしています。18金なんです。
ちなみに、金の買い取りセンターでいくらになるか尋ねたら、すごく安かったです。
金の価格よりも技術料が高いんです。
ちなみにこのフルートは日本製、村松楽器です。
金額は高級車代と申し上げておきましょう。」

「今はフルートはこのように円筒をしています。
テオバルト・ベームによって大改良されたためですが、
昔はフルートの先が少し広がっていました。
バロック時代のフルートは音が余り出ず、小さい音しか出ませんでした。
そのため、ベートーベンの時代の古楽器のフルートを用いて演奏する場合は、
フルートの演奏者を2倍にするそうです。」

「楽譜に対しての心構えはどうでしょうか?」
「古い時代、このカルメンなどは楽譜通りに演奏するとのっぺりとしてしまいます、
そのため、楽譜に忠実ではありながら、プラスアルファをして演奏しています。
一方、現代に近いものは緻密な楽譜なので、譜面通り演奏します」

次は高校生の方からの質問です。

「早い指の動きはどうしたらいいのでしょうか?」
「ゆっくりから練習します。
出来る速さから練習します。
指が疲れない速さから練習を始めることが大事です。
筋トレとおなじで、徐々にならしていきます。」

「高音がうまく出すには、どのようにしたらよいでしょうか?」
「息をしっかり出して鳴らす事が必要です。
そのあと、余分なものをそぎおとすしていきます。
タンギングはダメです。
端まで息を入れる必要があります。」

「私はピッコロもやっていますが、ピッコロが上手になるためにはどうしたらいいですか?」
「フルートが小さい音で高音が出せると、ピッコロも上手くいきます」

「息もれをなくすには?」
「口を閉めすぎると、固くなったりしてだめです。
真っすぐ中心を見つけるとよいです。
シャーという音はお客さんには聞こえないので気にしない方がよいです。
自分の聞こえる音ばかり気にすると、かえってアンバランスになります」

なんだか今日の質問コーナーは充実していました。

いよいよ後半開始です。

5.後悔と決心:G.ショッカー
  水村先生の「ショッカーと言えば仮面ライダー」の発言は、
  高校生には分からなかっただろうなぁ。

  同じく水村先生の「筧先生は後悔された事はありますか?」
  の質問に、「反省はしますが、後悔はしません。
  後悔しても何も良いことがないからです」の答えに共感しました。

  「決心されていることはありますか」との質問に
  「やせること」と宣言されました「ジムに通い始めました」
  「美味しいものが大好きなのでそれは減らしたくないのですが、
  運動をしていきたいと思います」

  この曲はプログラムノートにも書かれている通り、
  冒頭はさわやかでホッとする優しい音楽。
  私の感じたイメージは、美しい高原で乙女と出会うそんな感じです。
  後半は変拍子を使っためまぐるしい音楽、と書かれている通り、
  その乙女に何か異変があったのか、心臓がバクバクする、
  どうしよう?どうしよう?それでもがんばらなきゃ!
  と立ち直っていくように感じました。
  ピアノも後半は難度が高く、水村先生の素晴らしい技術が光りました。

  この曲は、今日の演奏の中で最も気に入った曲でした。

  それにしても、連続して良く呼吸が乱れないなぁと思っていましたら、
  水村先生もすかさず「筧先生は循環呼吸がお出来になるんですか?」
  と質問されました。ナイス!
  当然「循環呼吸は出来ません」と答えられましたが・・・。

6.タンゴ・エチュードより第3番:A.ピアソラ
  ピアソラはタンゴ演奏家で、クラッシックではありません
  タンゴに限界を感じてクラッシックを始めましたが、
  やはりタンゴの演奏家として歩むように言われたため、
  タンゴの楽団を作り、タンゴを発展させました。
  この曲は「タンゴの歴史」という曲のあとに書かれた
  6曲からなる無伴奏フルートの曲です。
  (もちろん、ピアノなしの独奏です)

  なんだか踊りたくなるような変わった曲だと感じました。

7.フルートソナタ:O.タクタキシヴィリ
  水村先生が早口言葉みたいな名の旧ソ連の作曲家を開場の方に覚えてもらうつもりか、
  わざとらしく感じるほどゆっくりと「タクタキシヴィリ、言いにくいですね」と言われていました。
  この曲は筧氏が学生時代は誰も演奏していなかったそうです。
  旧ソ連からグルジアになったためか、最近になって良く演奏されるようになったそうです。
  ロシアでは演奏されることなく、フランス経由で出版社はニューヨークだそうです。

  タンゴにも似た軽快な第一楽章。

  第一楽章終了後、不覚にも他の人の拍手につられて私も拍手してしまいました。
  確かに短すぎるなぁとは思いましたが。
  次に進むのをみて「3楽章からなる」とプログラムノートを確認しました。
  私も悪いけれど(反省しています)、プログラムにも書いておいてね。

  静かなそして途中から影を落としていく第二楽章。
  最後に美しさを取り戻します。

  第三楽章は再び軽快な感じに戻ります。そしてフィナーレへ。
  その軽快な感じのなかに、なぜだか、牧草地を馬で駆け抜けていく、
  民族衣装を着た人物が目に浮かびました。
 
  もっと、曲解になってしまいますが、
  第一楽章は民族がソ連支配の前の状態みたいな感じ、
  第二楽章は平和は訪れるけれど、だんだん抑圧されていく感じ、
  第三楽章は再び民族が独立を取り戻した感じ。

  こんな適当なことを書いておいて、ぜんぜん違っているかもしれません。
  あくまでも、私の受けた感想です。

<アンコール>
ビゼー カルメンより「 ?  」(聞き取れませんでした)
カルメン幻想曲で用いなかったフレーズだそうです。
全然知らないメロディーでした。
フルートらしい曲だと感じました。

全体を通じて、今まではフルートは美しい音色を奏でる楽器というイメージがありましたが、
今回の筧氏の演奏で、力強さ、メインを飾ることの出来る楽器、
といったようにフルートに対しての私の価値観が少し変わりました。

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